報道発表
2010/04/16
【記者会見風景 ~その3~】
「国際標準の動向とわが国における標準化に基づく能力評価軸策定の状況について」
資格標準化機構長 山本恒夫
資格標準化機構は平成20年の12月1日に認可されました。公益法人制度改革で、この日からは内閣府の方で認可することになり、その第1号が資格標準化機構です。設立後、皆様ご存じのように検定業界が騒々しくなりまして、あまり動くことが出来ない状況になったので、この1年間は体制整備に努めてまいりました。そして、この平成22年4月から本格的に動き出せるようになったところです。
タイトルに「国際標準の動向」とありますが、これには2つあります。資格・学習に関するものと能力に関するものです。資格・学習に関しては、日本がISOの会議で衝撃を受けて帰ってきています。外国では韓国・ドイツなどが熱心です。日本は出す玉がなく、声の大きい国に押しのけられてしまい、どうしたらよいかといった状態です。今、関係各省で委員会をつくり、検討を始めていることと思います。
次に能力の国際標準化ですが、先ほど隂山理事長からもありましたが、PISA調査の次に今年から成人力の調査が始まり、今年が予備調査、来年が本調査となっています。PIAACと言いまして、OECDの27カ国が参加しています。もし日本の結果が芳しくなければどういうことになるか。それを考えていただきたいとあちこちで申し上げているのですが、反応がない状態です。
平成13年にアメリカが独自に国際的に科学リテラシーの調査をしたことがあります。日本は13番目でした。それは公的なものではありませんので、報道はされましたが、それ程騒がれませんでした。ただ、報道されている中で出てきたのは、日本は子供たちについては学校で一生懸命教育するのでレベルが高いが、大人になると勉強しないのでダメなのだという話です。
今度、もし27カ国中で日本の結果がよくなければどういうことになるか。例えば、商取引の際に、相手方が「日本はこんなものか」ということで、成績がトップクラスの国と取引をするのではないでしょうか。我々でもそのようにしますよね。そういった問題があると申し上げているのですが、残念ながらあまり反応がありませんので、事にぶつかってからでないと動かないのかなと思います。事にぶつかってからわかるというのは四流です。一を聞いて、一を知って、一をするというのは三流です。一を聞いて、十を知るのは二流です。何も聞かずして分かるのが一流なのです。要するに、自分で調べて分かってしまうわけです。それが一流です。
では、どういった問題が出題されるのか。日本も国際成人力調査(PIAAC)に参加しますが、領域が3つあります。1つは読解力です。例えば、「商品の取扱説明書を読み、問題が起きた時の解決方法を答えよ」や「図書館の蔵書検索システムを用いて、指定された条件に合う本を選べ」などといった問題が出てきます。次に数的思考力というものがありまして、例えば「食品の成分表を見て、許容摂取量を答えよ」や「作成中の伝票を見て、商品の売上金額を答えよ」などの問題が出てきます。もう一つはIT関係で、ITを活用した問題解決能力です。これは「指定された条件を満たす商品をインターネットで購入せよ」や「表計算ソフトで作成された名簿を用いて条件を満たす人のリストを作成した上で、それをメール送信せよ」といった問題です。こういった問題で、日本はどのくらいできるのかということです。
こういう問題はどういうものかと言いますと、成人の力を見るのに適した「判断力テスト」です。基礎力と応用力を別々に調べることは子供の時にしますが、大人は他人から調べられることを嫌がりますので、ある場面を設定して、その中でそれを解決できるかどうかを見ます。これは応用力・基礎力がないと出来ない。そういう問題を出します。



