計算能力検定

公開会場: 2017年 8月 27日
特別準会場: 2017年 8月 19日
2017年 8月 27日
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指導者・保護者の方へ

社会で求められている人材とは

課題先進国・日本と社会の趨勢

いま日本は大きな転換期を迎えています。少子高齢化による人口減少社会という構造的課題を抱える一方、経済のグローバル化や新興国の急激な経済発展により国際競争が激化しています。一方で、私たちが暮らす社会では、地球温暖化等の環境問題、資源・エネルギーの確保、食糧自給率の低下など多くの課題を抱えています。日本はいま、このような課題に適切に対応しつつ、持続的な経済成長を行うことが求められています。

課題解決のキーワードは技術革新

これらの課題を解決するのは技術革新です。日本はこれまで世界で最高水準の技術力を誇ってきました。日本人科学者がノーベル賞を受賞しているのもその証しです。

計算能力検定
  数学的リテラシー 読解力
1位 上海 上海
2位 シンガポール 香港
3位 香港 シンガポール
4位 台湾 日本
5位 韓国 韓国
6位 マカオ フィンランド
7位 日本 アイルランド
8位 リヒテンシュタイン 台湾
9位 スイス カナダ
10位 オランダ ポーランド

※2012年度 OECD生徒のPISA(学習到達度)調査

※1. IMD国際競争力ランキング(2011年5月発表)において日本は59か国中26位であった。

※2. OECD(経済協力開発機構)のPISA調査における日本の順位は「科学的リテラシー」2000年2位、2003年2位、2006年6位、2009年5位「数学的リテラシー」2000年1位、2003年6位、2006年10位、2009年9位「読解力」2000年8位、2003年14位、2006年15位、2009年8位、となっている。

※3. 日本の工学部受検者数の推移をみると、1992年(約67万人)から2005年(約38万人)の13年間で約45%も減少している。

国際競争力・基礎学力の低下と理科離れ

しかし現在日本では、国際競争力の低下[※2]、PISA調査の結果[※2]などにみられる基礎学力の低下が問題視されているほか、いわゆる「理科離れ」も深刻化しています[※3]。このことは、科学技術・イノベーション立国の実現を目指す日本にとって、将来の大きな懸念材料となっています。

論理的思考力の必要性

科学者や研究者、技術者といった理系の職業でなくても、どんな職業に就くにしても論理的思考力は社会人として必須の能力です。そして論理的思考力を養うには、まず理数系科目の力を鍛えることが必要です。

日本の未来を切り拓くために

競争力の源は「人」であり、日本の競争力の回復は人材の育成にかかっていると言っても過言ではありません。未来の日本を切り拓いていくのは、社会の課題を見つけ解決するための論理的思考力と技術革新を実現する理数系能力をもった人材です。将来、社会で活躍するために、いまできることがあるはずです。

自発的な学習習慣

生徒のやる気を引き出すために

学習の基本は繰り返しです。特に、教科基礎能力(読み・書き・計算)は、反復学習や努力の積み重ねによって必ず向上していく力です。

そして、計算能力は、数の世界の言語ともいえる非常に重要な力です。ここでつまずくと、その先の勉強へ進むのが難しくなります。

計算能力検定を、生徒の力を測る“アセスメントツール”(個々の生徒が「できることとできないこと」また「何をすればできるようになるのか」を明確にするための手段)としてご活用いただくことで、その後の学習に役立てていただくことができます。

また、検定の結果によって、生徒自身がスピードやレベルの向上を実感できれば「がんばれば報われる」という達成感と自信につながり、学ぶことの面白さを体感させることができます。それによって、生徒は自発的に勉強する姿勢を身につけることができるのです。

自発的に学習する姿勢が身につけば、粘り強く努力する力や自立心・自発性、向上心など、苦労を乗り越えて人生を強く生き抜く力(自己実現力)を養うことにもつながります。

基礎力財団では反復学習を通じた基礎学力の向上により、社会で活躍できる人材を育成するためのお手伝いをしたいと考えています。 そして、生徒たちに確かな基礎学力を身につけてもらうとともに、受身の学習ではなく、自ら考え、学ぶ力を身につけてほしいと願っています。

計算能力検定
計算能力検定

湯川秀樹に学ぶ、日本の伝統的教育

湯川秀樹の原点 -漢籍の素読の徹底-

日本で初めてノーベル賞を受賞した湯川秀樹博士は、自伝「旅人」の中で、5歳のときから、祖父に漢籍(漢文)の素読をさせられたと書いています。難しい漢籍を、はじめは意味も分からないまま祖父の声につれて復唱するだけでしたが、やがて文字への抵抗がなくなり、読書や勉強がスムーズにできるようになり、結果的に大きな収穫をもたらしたと回顧しています。

反復学習により生まれる自信と達成感

読み・書き・計算の反復学習は、創造力を高めるとも言われています。世界の歴史を見ても、これらの反復学習を行う教育の中から、創造性あふれる優れた人物が多数育っています。明治時代の日本に、個性あふれる英雄・偉人が多数現れたのも、江戸時代後期の寺子屋や藩校で盛んに行われた読み・書き・計算の成果であると考えられています。

読み・書き・計算の反復学習により得られるのは、基礎的な知識や技能の習得だけではありません。読み・書き・計算の最大の効果は、生徒に「やればできる」ことを実感させ、自信をもたせることにあります。できるようになれば、自信がつき、自信がつけば勉強も好きになります。やればできるという自信が、学習意欲も高めるのです。

「できる」ということの大切さ

「わかる」より「できる」を先に行う指導は、とても効果的であると言われています。自転車を例にとると、いくら乗り方の説明を聞いても自転車に乗れるようにはなりませんが、実際に「乗る」という行動(練習)を繰り返すことで、乗れるようになります。算数・数学の場合も、「わかる」ことばかりに時間をかけていると、算数・数学が嫌いになってしまうことがあります。反復練習により、まず「できる」ようになることはとても重要なのです。

生徒たちの将来のために

生徒たちの将来の夢を叶えるための土台になるのが、反復学習により身につけた基礎学力であり、それを身につける過程で習得した、考える力、学ぶ力、創造する力などの生きる力です。湯川秀樹博士の場合、物理学の分野において大きな功績を残していますが、上述のように彼の考える力や創造する力の原点は、一見あまり関係なさそうな漢籍の素読でした。

読み・書き・計算の徹底反復という日本古来からの教育手法が、いま見直されはじめています。私たちは、少しでも多くの方々に、この計算能力検定を活用し、「できる」を通じて人生を切り拓くために必要な「生きる力」を身につけてもらえたらと願っています。

計算能力検定
計算能力検定

体系的かつ実用的なカリキュラム

昭和43年学習指導要領に準拠

計算能力検定のカリキュラムの大部分は、日本の教科書が世界でもトップレベルの内容だった頃の学習指導要領(昭和43(1968)年改定版)に沿っており、これは、2011年から施行される新・学習指導要領に近い内容となっています。

学力低下が問題視される昨今ですが、OECD(経済協力開発機構)の第1回PISA調査(2000年)で、日本は数学的リテラシーにおいて世界第1位になったこともありました。算数・数学分野の学習指導要領が、ゆとり教育時代から、昭和43年の学習指導要領とほぼ同様のカリキュラムへと内容を大幅復活させたことは、この時代のカリキュラムの必要性が再認識された結果であるともいえるでしょう。また、日本の学習指導要領は、中国や韓国などアジアをはじめ世界各国でも参考にされており、このカリキュラムは国際標準になりうる可能性を秘めているともいえます。

計算能力検定の内容に沿って学習を進めれば、より高度な内容の数学や、大学等に進学してから学ぶ様々な学問において絶対必要な要素を、漏らさず効率的に吸収することができます。学習内容は、学年が上がるにつれて高度になります。実際の学年より少し前のレベルから挑戦させて生徒に自信をつけさせるとともに、着実に力をつけてもらうことをお勧めいたします。

基礎学力の重要性

政府も一貫して基礎学力の重要性を指摘しています。

2002年に文部科学大臣が発表した「確かな学力の向上のための2002アピール『学びのすすめ』」(ゆとり政策)では、反復練習による基礎力の充実が学力再生のために必要であることが明記されました。また、ゆとり教育から転換し、2011年から施行される「脱ゆとり教育」政策においても、「基礎的・基本的な知識の習得」や「学習意欲の向上と学習習慣の確立」が重要とされています。

計算能力検定

開発者の声 陰山 英男

最近、世界の教育を見て回る機会が多くなってきました。なぜなら、教育にもグローバル化の波が押し寄せ、大きな変化を迫られているからです。そうして世界を見ると、日本国内で語られていることと、実際の世界の動きは大きく違うということに気がつきます。

ロンドンに、ケンブリッジ大学に多くの合格者を出しているというある有名な私立中高一貫校を訪ねたときのことです。私は校長先生に尋ねました。「あなたは、どのようにして大量の合格者を出したのですか?」すると驚く答えが即座に返ってきました。「徹底した計算能力の強化です。」

論理数学が中心で、計算はあまり重視していないと語られているイギリスのトップ校で、計算能力の重要性が語られたのです。実際の授業を見せてもらうと、日本で作られた計算プリントが使われていました。一方、欧米やアジアの主要国では、私が監修した百ます計算のゲームソフトが大ヒットしています。

教育の成果が、国や社会の発展を決めると考えられる現代、計算能力の重要性が注目されてきています。国際学力調査においても、ゆとり教育が始まる前は、日本の数学力はフィンランドや韓国を抑えトップでした。

計算能力は、数の世界の言語です。数学の一分野では済まされない深い意味を持っているのです。この重要な計算能力を高めるガイドとして計算能力検定を役立てることは、学び続けるためにはきわめて有効と私は思います。

どうか、自分の成長の道しるべに、計算能力検定を役立ててください。

推薦者の声

  • 有馬 朗人(ありま あきと) 氏

    元 文部大臣
    根津育英会武蔵学園長
    静岡文化芸術大学 理事長

    推薦者の声
    近年、教育の世界では、ゆとりという言葉がひとり歩きし、あたかも指導をゆるめることがゆとりであるという誤解を生み、学力低下の原因であるかのように言われてきました。

    しかし、本来ゆとりというのは、盤石な基礎ができた結果、生まれてくるものです。

    例えば、計算はひとつの基礎基本です。基礎的な計算能力がないと数学の問題に対する理解も弱くなります。深刻な場合には、それが進路にかかわり、将来の夢や可能性さえも失われることさえあります。

    この検定は、小学生レベルの問題から高校生レベルの高度なものまで、系統的に作られています。ですから、自分の弱点をしっかり押さえ、幅広い計算能力をしっかり身につけることができます。さらには、新旧の指導要領を研究し、後々学んでいく数学やその他学問に必要な要素を漏らさず効率的に吸収できる、体系的かつ実用的なカリキュラムになっています。

    数学の基本である計算能力を確実に身につけ、各レベルを達成することで、「やればできる」という自信をつけ、学ぶことへの面白さを体感して欲しいと思います。

    また、計算能力の必要性は子どもに限ったことではなく、我々大人においても、様々な場面で必要となってきますので、大人の方にも受検をお薦めいたします。

    私はこの検定に賛同し、推薦させていただき、1人でも多くの方に確かな計算能力が身に付き、可能性あふれる未来へと羽ばたいていただけることを願って止みません。
  • 西村 和雄(にしむら かずお) 氏

    京都大学経済研究所 特任教授
    日本経済学教育協会 会長

    推薦者の声
    私は経済学者の視点から、1997年に出版した『分数ができない大学生』以来、基礎基本の習熟と自学自習の重要性、そしてそれを可能にするための良い教科書が欠かせないということを訴え続けてきました。そのために、算数の教科書を補うために新しい検定外教科書(『学ぼう算数』)の出版も行ってきました。

    『分数ができない大学生』の出版から十数年、ようやく、2011年4月から「脱ゆとり」を目指した新しい学習指導要領が実施されます。

    学力向上を実現するためには、生徒自らが自発的に意欲を持って学習する習慣をつけることが重要です。「検定」はそのために有効な目安を与えてくれます。「目標」をたて、小学校から高校までのカリキュラムにしたがって勉強した成果を検定を受けることによって「評価」することができます。

    検定の結果によっては、より上の学年の内容に進むこともあるでしょうし、逆に、一度勉強したことを復習する必要もあるでしょう。先取りもまた復習も自発的な勉強なら可能です。「検定」は、生徒の自学自習を促すことにも有効です。

    国際標準計算能力検定は、進学の際にとどまらず、企業に就職する際にも活用できると思います。また、国際標準検定ということですので、海外における人材評価においても通用することが期待できます。

    多くの方が、この検定に取り組んでいかれることを推奨いたします。

学校団体受検担当者の声

  • 向島中学校

    学校団体受検担当者   屋良 多恵子

    学校団体受検担当者の声
    数学に対して苦手意識を感じている生徒に、数学の基礎である計算を会得する良い機会であると考え、受検を勧めました。最初に受検案内を全校生徒に配布し、朝礼や授業の中でも生徒たちに紹介しました。私から受検するように強く勧めたのは数名程でしたが、自ら受検したいと申し出る生徒が予想以上に多く、特別準会場で実施することを決めました。そして、4日間の検定対策講座を開き、過去問題の解説や基礎計算の練習をするなどして生徒たちの理解を深めました。

     その結果、検定に合格し大きな自信につながった生徒もいますし、間違えた問題の復習に自ら取り組む生徒もいました。その一方で、計算が得意分野であったにも関わらず、今回思うような成績ではなかったため計算に対する意識が変わったと話す生徒もいました。

     計算は取り組みやすいと同時に、時間内にケアレスミスなく全ての問題を正解させるのは難しいことです。検定を受けたことで、計算や勉強に対しての意識が変化した生徒が多くいたことに大きな意義があったと感じています。今回、受検した生徒たちは今後より能動的・積極的に検定に挑戦し、計算を自分たちの力にしていくことでしょう。